SP1
5-1:保温できる環境づくり
5-2:着る魔法瓶は魔法の服

寒い季節に外出するときには、出来るだけ暖かい格好をして出かけたいものです。でも着れば着るほど暖かいけど、着膨れしてしまい動きづらいし不恰好。そこで、最低限の薄さで暖かく出来るための研究がはじまりました。

カイロのように熱源のあるものは当然ながらカイロから熱が発せられるので暖かいですが、長時間同じ位置で使用すれば低温火傷をする恐れもあります。そこで熱源を持たず体を暖める方法は無いかと考えました。

そして、たまたま研究所に持ち込んだ魔法瓶を見た時に閃きました。
魔法瓶に温かい飲み物を入れて、寒いところへ行ってもその飲み物は保温が持続することに。つまり、外気をシャットアウトして、内部の熱を逃がさない構造、これこそが、重要なポイントなんです。


冷たい外気を遮断して、体温を保持できる環境を作れば、単純に温かさを得られるのではないかと。つまり、熱源を作るのでは無く、熱源は人の体、体温でいいのです。

理科の時間で習ったかもしれませんが、人などの哺乳類や鳥類は、ほとんど体温が変化しないので「恒温動物」です。体温が変化しないのは、体内で起こる化学反応である「代謝」をしているからです。

食べ物からの栄養をエネルギーに変えて運動をすることなどが代謝にあたり、このとき運動に直接使われなかった、残りのエネルギーは熱となり、なんと75%以上が熱に変換され、体温の維持として使われています。そんな発電所のような熱源を使う手はありません。他の熱源を使わずして、体温の利用することはエコにも繋がるからです。

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