海の生き物はなぜ速く泳げるのでしょうか? そして魚を改めて触って気付いたのが表面のヌルヌル。海の生き物はぬめりのようなものを表面にまとっているのです。
カツオやマグロは分泌物を出すことによって海水の抵抗(流動抵抗)を60%低減し、同じ速度に達するために必要な動力の40%で済むとも報告されています。これをトムズ効果といいます。
人の皮膚は一見スベスベして見えても、実際は、小さい毛が生えたりしていたり、体自体が流線型になっていないので、当然水からの抵抗を受けてしまいます。その違いを無くすとこから研究が始まりました。
机の上に氷を置いて、しばらく溶けてから氷を押してみれば、勢いよくツルっとすべります。これは、机と氷の間に水の層ができたから抵抗が少なくなったからなんです。
では、水をまとうような表面であれば、周りの水との摩擦はほぼゼロになります。つまり、分子レベルで水 をキャッチするような表面素材なら、海の生き物のように泳げることになります。
現在、ヤマモト未来研究所では人間の皮膚の摩擦抵抗係数が2.0cdfというところを0.021cdfまで抵抗を下げることに成功しています。
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